渋谷区動物愛護推進ネットワーク

猫耳ブログ
@shibuya_cats

地域猫との共生をめざした活動、情報発信をしています

🐾猫耳

地道な統計こそ重要
                

 先日、都内の大学生から問い合わせがありました。
 ゼミの資料として、渋谷区内の地域猫の増減を町の一丁目単位で知りたいとのこと。
 当ネットワークは、区の助成を受けて不妊去勢手術した猫数を10年以上に渡り、一丁目単位の地域別でまとめてきたからです。
 手術した猫をおよその地域猫の数と考えて推定する方法もあるかもしれませんが、なるべく正確な数を出すには、各地域のえさ場などで調査しなければならないでしょう。なかなか大変な作業になると思いました。
 すると最近、江戸川区さんが地域別に地域猫数の統計を取っていることを知りました。
  同区は6年前から「飼い主のいない猫対策支援事業」を進め、現在区内の4/1の町会が活動に参加。29の登録ボランティア団体が、約1200匹の不妊去勢手術を行いました。
 この中で、たとえば最も大きい団体が活動する地域では、2015(平成27)年度に、336匹(えさ場64カ所)の猫がいましたが、28年度には、302匹(えさ場66か所)と減少に転じたとのこと。手術の成果が具体的な数として現れたのです。
 地域猫活動の成果を客観的に見るためにも、また、今後の街作りのためにも、こうした地道な統計がとても大切です。
 さらに、データはだれもが利用できるようにしておくことは、言うまでもありません。 

                                 (2018.5.5)


公園の看板は、地域猫との共生を前提に
              
 

 昨年、鶯谷町の小さな公園に、“猫へのえさやりを禁止する”巨大看板が設置されました。
区公園課が張り出したものです。
 その理由は、①地域猫へのえさを遊具の上に置くなどマナーが悪く、住民から苦情がきている ②区の公園条例により、公園での猫へのえさやりは禁止されているというものです。
 しかし、①に対しては、猫の世話人は2匹の地域猫の不妊去勢手術をし、きちんとマナーを守ってえさやりしています。②に対しては、同条例にそうした文言は見当たりません。
  地域猫活動は東京など都市部ではもはや定着しており、他の区の公園の看板は「地域猫のえさやりはマナーを守って」などの啓発的な内容の看板です。しかし渋谷区内ではここの他にも何カ所かの公園に、「猫へのえさやり禁止」看板が立てられています。 
 特にこの鶯谷の看板は、あまりに大きく威圧的で印象も悪いので、住民は約70人の署名とともに、区長に看板の撤去を求める要望書を出しました。
 そして6月、公園課は住民に対し看板を外すと言いましたが、いまだに外していません。若干名の住民の意見を尊重しているとのことです。
 開発の進む渋谷区では適したえさ場の確保が困難なため、公園など公共の場所でえさやりをせざるを得ないことがあります。地域猫との共生を進める看板に変えてほしいと思います。


(2017.8.8)


猫からのマダニ媒介ウイルス感染報道を受けて
       ノラ猫の一時保護には捕獲器を

 弱ったノラ猫を病院に連れていころうとした女性が「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」に感染、死亡するという悲しい事故が西日本で起きました。女性は捕獲しようとして猫にかまれた際、SFTSに感染したようです。
 お悔やみ 申し上げます。
 私たちボランティアは不妊去勢手術・治療でノラ猫・地域猫を病院搬送すると き、必ず捕獲器を使います。毎日食事をやり、人に慣れているような猫でも、つかまえようとするとパニックになり、かんだり、ひっかいたりして大変危険だか らです。「SFTS」でなくとも猫が保有する他のウイルスによって、かみ傷が大きく腫れあがることが多いです。
 マダニによる猫の「SFTS」感染は私たちも聞いたことはありませんでした が、ヒゼンダニによる疥癬(かいせん)はよく見られます。都市部では室内飼育がルールですが、放し飼いの猫はノミ・ダニ駆除剤を使用したほうがいいでしょう。
 私たちも猫の不妊去勢手術の際には、ワクチンとノミ・ダニ駆除剤を投与しますが、その後はなかなか定期的に投与できないのが残念なところです。

                                 (2017.7.26)

  猫からのマダニ媒介ウイルス感染報道を受けて 続報

 地域猫専門病院「mocosどうぶつ病院」齊藤朋子先生から猫にかまれた際の感染症についてアドバイスをいただきました。
 「SFTS報道でショックを受けた方も多いと思いますが、外の猫を過度に恐れず、万が一かまれたら慌てず適切な処置を」とのことです。以下、掲載します。
 「地域猫のお世話をされている皆様、毎日の活動、ご苦労様です。
 ボランティアさんはご存じでしょうが、動物由来感染症にはSFTS以外にも身近にいろいろありますので、まず猫にかまれてしまった際の基本的な対応についてお話しします。
 かまれた場合は、小さい傷でも24時間以内にひどく腫れることが多いので、早めの治療が必要です。すぐに傷口を流水で洗い流し、イソジン液などの消毒液で傷口を消毒します。そしてなるべく早く医療機関(人間の)を受診してください。
 私たち獣医師も猫の診察時にケガをすることがありますが、その際、一般的な感染症にはアモキシシリン系の抗生物質が効果的です。できればボランティアの方にも常備をお勧めします。お医者さまに相談してみてください。
 次にSFTSを含めた予防ですが、最近では内服のノミダニ予防薬もありますので、さわれない猫でも食事にまぜての投薬が可能です。そして外の猫に触ったら手をよく洗う、かまれるような捕まえ方はせず、捕獲器を使うこと。飼っている猫は室内で飼育し、ノミダニの予防、ワクチン接種、不妊去勢手術など基本的な獣医療を施してください」

                                 (2017.7.27)


 渋谷区「地域ねこ」パンフレットできました!>

 渋谷区で初となる、地域猫活動のパンフレットが完成しました。
ネットワークもガイドラインに続き、今回のパンフレット作成を長年、働きかけてきましたが、
ようやく完成しました。
  昨年できた「ネコとの共生ガイドライン」にもとづき、地域猫活動を分かりやすく説明したもので、全8ページ。
巻末に関係法令も入っています。

お問い合わせは、渋谷区保健所事業係 電話 3463-2246

                                 (2017.4.7)



  猫の虐待には地域の監視を

  昨年東京周辺のあちこちで地域猫の虐待が報道されました。
しかし、残念ながら渋谷区でもたびたび起きています。
 昨年暮れには、区内T地区で、毒物を飲まされたと思われる地域猫の行き倒れが続発、
都の動物愛護相談センターや区内の動物病院に運ばれました。
 区職員が地域住民に聞き取りしたところ、いろいろな情報が寄せられ、警察に見回り強化をお願いしました。
 その後、事件は起きていません。
 今年に入ってからは、新宿区との区境H町で地域猫への虐待が発覚。
地域のボランティアは見回りを強化し、虐待現場を撮影し、警察に届けました。
詳細は「西新宿地域ねこの会」さんのフェイスブックに掲載されていますので、
ぜひ参考にしていただきたいと思います。
 地域猫活動は、近隣が情報交換したり連携を強めることで、虐待のみならず防犯に大変役立ちます。
 地域猫は愛護動物です。
 不審な行動を見かけたら、警察へ110番通報し保健所事業係へ届け出てください。
                                 (2016.3.7)


 参議院議員会館講堂で地域猫の勉強会開催

 

つくば市の「全国動物ネットワーク(ANJ)」の主催で、全国の地域猫の取り組みを紹介する勉強会が3月26日に開かれました。(共催・THEペット法塾 後 援「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議連}など)
 主な内容は
 ・福岡県獣医師会の主導で(行政主導ではないところが特徴)、ボランティアと5年間行ったのら猫のTNR。地域猫でない野生猫も「あすなろ猫(あ す地域猫になるであろう猫)」としてTNRを実行し、殺処分減少に効果をあげたそうです。
 ・つくば大学学生地域猫サークルの活動 現在大学の地域猫サークルをネット上で公開しているのは13で、そのうちの1つになるそうです。
 ほかにも、石川県内灘町、静岡県島田町、東京都立川市、被災地福島などの地域猫活動が紹介されました。
 また、この場で、先日、京都市がつくった「のら猫へのえさやり禁止条例」について、「のら猫の保護と共生に反するもの」として廃止を求める集会宣言 が採択されました。
 この勉強会は、今後も定期的に開かれるそうです。
                                 (2015.3.30)



 猫ハウス 2015冬モデル

 

今年もまだまだ寒い日が続きそうですが、地域猫たちは元気に過ごしていますで
しょうか?
 このほど、メンバーが新しい地域猫ハウスをつくってくれました。
 頑丈な大小段ボールを2枚重ねにし、内側段ボールはプチプチの緩衝材で覆い、防寒・防水対策を施しています。
 春になったら、外側の段ボールを取り外して使用できます。
 クルマでいえば、ボルボかベンツのようにしっかりしたつくりです。
 近所の地域猫(9歳メス)のために置いたら、すぐに入り、気にいっています♪
 前の段ボールハウスは2年以上使えましたが、これはもっと長く使えそうですね。
                                 (2015.1.28)


 猫を引き取るなら・・

  

犬や猫を迎えるとき、ペットショップではなく、保護犬・保護猫を引き取る方が増えてきました。 とても喜ばしいことです。
 ただ最近、引き取った子猫が「触ろうとすると威嚇して、まったくなつかない」「迎えてすぐ外へ逃げてしまい、見つからない」という相談が増えています。
 渋谷区在住のある若いカップルは、初めて猫を飼うことにし、子猫2匹をボランティアから引き取りました。その際、「今は人に慣れていないが、ケージに入れて飼育するうちに慣れてくる」と言われたそうです。しかし2カ月以上たっても、近づくとフーッと威嚇し、全く触ることができずにいます。
 ボランティアとしては、人慣れしていないノラの子猫でも諸事情から保護せざるを得ないことがありますが、猫の飼育経験のない里親さんに託すと、猫も人も不幸になってしまう場合があります。保護猫を一般の方に譲る場合は、人に慣れるまで飼育してからにすべきだと思います。
 また初めて猫を飼う方は、“抱っこできる猫”を迎えていただきたいと思います
                                 (2014.12.24)


 猫を引き取るなら、抱っこできる猫を

 数日前、野良猫保護希望のお問い合わせがあり、お返事をメール返信いたしましたが、 メルアドが違っているようでもどってきましたので、この場で簡単にお答いたします。
 ①まず当団体としては、抱っこできないような猫は飼い猫にするのは難しいので、 不妊去勢手術したうえで地域猫として世話していただくことをお勧めしております。
 ②人に慣れた猫や捨て猫は、飼い猫にするのが理想ですが、里親捜しをする場合、成猫や病気がある猫は時間がかかるのが現実です。 ご自身が一定期間、保護して世話をしたり、ある程度医療費をかけるご覚悟で保護してください。
 ③保護した場合はまず動物病院で簡単な検査(寄生虫など)をしてもらいましょう。 ボランティア病院なら格安で診てくれますが、治療で2~3万円かかることもあります。
 ④保護猫預かり施設は、1カ月5000円程度の実費がかかるところもあります。 どこも経済的にゆとりはないので、利用されるなら、寄付、またはお手伝い(猫の世話、掃除などいろいろあります)などをお願いしたいと思います。
 ⑤なお最近、ボランティアと称して気前よく猫を引き取り、実験に回したり虐待をする人もいるようですので、 気をつけてください。
                                 (2014.9.17)


 北海道でも地域猫活動

 先日、北海道の動物愛護団体の方から問い合わせがありました。
 2年前、動物チャリティーイベント「ハッピーミュージックフェスタ」でお知り合いになった方々です。
 「北海道でも地域猫活動を進めたいので、手術済みの印の耳カットを地元の獣医師に伝えたい」ということで、こちらの獣医師をご紹介しました。
 北海道にもいよいよ耳先カット猫が普及しそうです。
 すでに旭川市や札幌市などの都市部では、昨年ごろから地域猫活動が一部で始まっているとか。
札幌では観光地の定山渓周辺にたくさんの野良猫がいるため、ボランティアが活動を始めたそうです。
 寒冷地でも温かい温泉のおかげで、猫たちは暮らしていけるんですね。
 観光客にも地域猫のことを知ってもらえたらうれしいです。
                                 (2014.6.3)


   飼い猫が耳カットされて帰ってきた?

 

 昨日1月27日、Sさんという方から当HPにメールをいただきました。
放し飼いにしている飼い猫が、4日間帰ってこなくて心配していたところ、耳カットをされて帰ってきたとのこと。
首輪もしていなかったため、だれか猫ボランティアが不妊去勢のため病院に連れていったようです。
 Sさんに返信いたしましたが、アドレスが違っていたようで送れませんでしたので、
この場で簡単にご説明したいと思います。
 Sさんのお住まいの地域が日本のどこかは分かりませんが、常識ある猫ボランティアは、ノラ猫の世話をしている方から依頼を受けて初めて、捕獲器に入れて病院に連れていきます。
 当団体もしかりで、猫の間違いを防ぐため、捕獲器に入った猫を依頼人に確認してもらいます。
 しかし、地域の中には、依頼されなくても、外にいる猫が気になったら自主的に捕まえて病院に連れていく方もいるようです。
 毛並みのいい猫でも最近は捨て猫が増えていますし、猫の繁殖期が近づいているので急いで手術したのかもしれません。
 いずれにせよ、こういうことがないように、私たちは常に慎重な行動と的確な判断を心がけています。
                                 (2014.1.28)


  渡辺パコさんの言葉

 

9月に渋谷の時間制電源カフェ「beez」で開催されたペットの殺処分を考える勉強会に、地元のボランティアとして招かれ、猫の処分の現状などをお話しさせて頂きました。
その際、座長の渡辺パコさんが、「なぜ動物行政が必要なのか?」との問いに対し、大変いい説明をしてくださいましたので、以下にまとめたいと思います。
 「ペットと暮らしたいという思いは、趣味ととらえられがちだが、実はそうではなく、多くの人間の根源的な望みであり、必然である。というのも、ペットとは、人間と自然とをつなぐ存在だからである。言い換えれば、集落(人間社会)と山(自然)をつなぐ里山のようなものである。ペットも里山の形成も、人間が自然と共生していく上で大切な存在で、だからこそ行政も関与する必要がある」
 地域猫は、まさに人と自然(野性)との間に生きる存在です。だからこそ、地域猫との共生が求められるのではないでしょうか。                     (2013.10.28)


  「青山学院大の地域猫研究 報告書まとまる」

 

昨年秋、当ネットワークも取材を受けた青山学院大総合文化生活部「矢野クラス」による今年のレポートがまとまりました。
 「東京・渋谷の地域社会と生活 3」。
 この報告書は、渋谷の祭りや消防団、子育て問題など、そして野良猫問題について項目ごとにまとめられています。野良猫問題は約20ページに渡り、当ネットワークの活動や渋谷区保健所の対応などについても詳しく書かれています。
 研究を担当した学生・周藤さんは、ネットワークのTNRの現場を夜遅くまで見学し、とても具体的な報告を書いてくれました。こうした地道な街の レポートが、渋谷の歴史を伝える貴重な資料になっていくと思います。
 本当にご苦労様 でした。                     (2013.4.9)


   緊急報告! ついに1匹が犠牲に  「Iタワー」、猫ハウス強制撤去で



 

ついに1匹の猫が死んでしまいました。
 渋谷駅近くの高層ビル「Iタワー」の公開緑地で、今年からビル管理者により 猫ハウスが撤去されていた問題で、 渋谷保健所の数回にわたる説得を行いました。
 しかし管理者は受け入れず、毎日のように猫ハウスを撤去し、周辺に放水し続け、
世話人はそのたび段ボールで猫ハウスを作り直し設置してきました。
  ところが、気温が下がった12日の夜、4歳のチビハチがぐったり倒れており、
世話人は渋谷駅近くの動物病院に運びました。チビハチは重い肺炎にかかってお り、翌朝亡くなりました。
 保健所を通じて、ビル管理側に猫が1匹死んだことを伝えましたが、
「猫ハウス撤去と放水とは因果関係はない」とのことでした。
 もちろん、猫ハウス撤去や放水が肺炎の原因と証明することはできません。
猫の健康には個体差もあります。
  しかし、病気の引き金になりえることはだれでも推察できることです。
 動物虐待として告発すべき行為ですが、それ以前に非人道的な行為であり、大企業が行うことでしょうか。
 猫の世話人は気落ちして、「あまりにつらいので、もう猫たちの面倒をみる意欲がなくなった」と話しています。  渋谷のこの地域から、近い将来、地域猫の姿はまったく消えてしまうのではな いでしょうか。
                    (2013.2.14)


  緊急報告! 真冬のさなか、猫たちに「強制立ち退き」のビル  

 渋谷駅にほど近い高層タワービルで、その敷地内に暮らしている七匹の猫が今、ビル側から「立ち退き」を迫られています。
 この高層ビルは築14年の新しい複合ビルで、建つ前は大きな屋敷があり、たくさんの猫が暮らしていました。
ビル完成後、敷地に公開緑地がつくられると、そこに40匹以上の猫が暮らすようになりました。
 周辺はすべてマンションとなりコンクリートで固められ、猫の居場所はこの公開緑地しかなかったのです。
 当会会員や近隣の住人が猫たちの不妊去勢手術し、えさやりやフン掃除などの世話をしていました。
 やがて猫たちも高齢になり、最近は七匹ほどになったので、ビルに了承を得て公開緑地の一角に猫ハウスを置いてもらいました。
ところが最近、ビルの管理担当者が替わり、猫ハウスの撤去を始めました。
「猫たちは高齢で弱っているので、せめて冬の間だけでもそのままにしてほしい」と猫の世話人が頼んでも、「ここはビルの私有地」といって聞き入れ ません。
 当会も保健所とともに猫ハウスをそのままにしてもらうようにお願いしました
 しかし、ビル側は聞き入れず、世話人がハウス箱を置いても、毎日撤去してい ます。
 猫ハウスの置いてある場所は広い公開緑地の隅っこで目立ちませんし、これまで猫のトラブルはないと聞いています。
 ビルが建つ前からこの地域に生き、住人に世話されてきた地域猫たちが、なぜ今になって居場所を追われなければならないのでしょうか?
 再開発ビルが「地域の環境を守るために」設けるのが公開緑地なはずなのに、これでは本来の意味を失うのではないのでしょうか?
 地域猫との共生がうたわれる時代になっても、現実にはこうした事態が起きているのです。
 皆さんはどう思われますか?

                    (2013.1.28)


  「犬と猫と人間と2 動物たちの大震災」が まもなく完成

  

 話題をよんだドキュメンタリー映画「犬と猫と人間と」の第2作目、
「犬と猫と人間と2 動物たちの大震災」が まもなく完成します。
 完成記念上映会が1月13日渋谷区「東京ウイメンズプラザ」で行われます。
 映画は、タイトルどおり東日本大震災に襲われた東北が舞台。地元・石巻の動物ボランティアなど、震災後の500日を記録しました。
 前作監督・飯田基晴さんがプロデューサーとなり、宮城県出身の若手、宍戸大
裕さんが監督をつとめました。
 前作同様、人にほんろうされるペット問題に鋭く切り込む内容を期待しています。                         (2012.12.16)


 大学生、都議が、TNRの現場を見学しました

 

 先日の日曜日、渋谷区千駄ヶ谷で、地域猫の不妊去勢手術のための一時保護(TNR)を行いました。
TNR活動を青山学院大、中央大の学生、そして都議会議員の大津ひろ子さんが見学。
 さらには病院搬送のお手伝いまでしていただきました。
 青学の学生さんは、社会調査実習として都市の野良猫事情を調査するという目的で、
また中央大の学生さんと大津都議は、地域猫のボランティア活動の現場を体験したいということで、
6時間に渡り参加されました。
 みなさんは、「一見、猫がいないような街中に、実はこんなにたくさんの猫が生活していることに驚いた」
「地域猫活動がこんなにエネルギッシュな現場だとは知らなかった」などと終始感激されていた様子でした。
 今回のTNRでは、計12頭の猫を不妊去勢手術しました。
地元千駄ヶ谷のみなさまにも、情報提供から保護のご協力をいただき、大きな成果をあげることができました。
 若い世代に地域猫活動を伝えていけるよう、今後もボランティアご協力、体験参加をお待ちしております。
                                       (2012.11.12)


 訃報・野上ふさ子さん

  

「地球生物会議ALIVE」代表の野上ふさ子さんが、10日、乳がんのため亡くなられました。
63歳でした。
 日本でいち早く動物実験廃止、動物虐待禁止を掲げて精力的に活動され、全国の自治体に毎年殺処分の調査を行ってこられました。
 その長きに渡る地道な活動の成果で、十数年前には日本に動物虐待に罰則を適用する動物愛護法が生まれ、近年はペットの殺処分も大幅に減少してき ました。
  私たちも野上さんの遺志をつぎ、
これからもあきらめず動物愛護を訴えていきたいと思います。
 心よりご冥福をお祈りいたします。
                        (2012.10.18)


捨てられる命ゼロを目指す映画「ノー・ヴォイス」制作準備取材を受けました

 動物の命の大切さを知ってもらうため企画されている映画「ノー・ヴォイス」
。地域猫に関する状況 も取り上げたいとのことで、
当ネットワークがヒアリングを受けました。今後も取材協力を行う予定です。
 制作担当の方は、「この映画は特に子どもたちやその親、教育関係者に見ても
らいたい。いじめなどで苦しんでいる子ども達にも、動物愛護を通して 命の大
切さを知ってもらいたい」と熱心に話していらっしゃいました。
 現在、制作・上映のための寄付を募っています。映画は来春公開予定。
 
                        (2012.9.13)


多摩川の猫との触れあいを描いた「風になった伝書猫」

 

当会員の知人で、作曲家の田村元さんが、多摩川の土手にすむ猫との交流を本にまとめました。
 いつも一緒に土手を散歩する野良猫ローラ、そして捨られた子猫たちがボランティアに保護されていくまでが描かれています。
 猫たちの命を助けようとする著者に、若くして死んだ猫好きの恋人の記憶がよみがえります。
 地域の人たちも、著者を優しく見守ります。さわやかな感動を呼ぶ実話で、おすすめの一冊です。
 
 
                        (2012.9.3)


 ホームレスの猫たち

公園などにすむホームレスの人たちが、猫をかわいがっている光景はよく目にします。
 こうした猫たちにも、各地のボランティアが不妊去勢手術をすすめていること
が多いです。
 渋谷区動物愛護推進ネットワークも、先日、渋谷区内の公園で、ホームレスのAさんが飼育していた猫たちの不妊去勢手術を行いました。
 Aさんのところには父猫・母猫と、生まれて間もない4頭の子猫がいました。それを見た近所の区民が、Aさんに手術を勧めました。
 簡易的に建てたり崩したりできる優れもののロフト付きハウスに住んでいるAさんは、猫のケージも持っていて、しっかり猫たち の面倒をみています。
子猫たちもなるべく育てたいというAさん、2匹を残し、2匹は里親探しをする
ことになりました。
 父猫母猫の手術は、中野のボランティア病院で無事終了。ただ、母猫は片方の目が病気で苦しそうなことが分かりました。
すると病院から、「母猫の目はもう一度手術して摘出したほうがいい。費用は心配しないで」というありがたい申し出がありました。
Aさんにとって猫たちはかけがえのない家族でしょう。ともに健康に長生きしてほしいものです。

                        (2012.7.15)


犬猫殺処分 21万匹に減少
                      
 

NPO法人「地球生物会議(ALIVE)」(東京都文京区)さんが、2010年度の全国自治体における犬猫の殺処分数を調査し、発表しました。
 犬 は5万3473匹、猫は16万134匹、計21万3607匹が殺処分されたが、前年の09年度より約2万6千匹減少したということです。
 同団体によると、犬の殺処分は毎年1万匹以上の減少が続いていますが、猫の殺処分数は犬の約3倍。
 処分されるのはほとんどが子猫ということです。
 殺処分ゼロを目指して、まだまだ猫の不妊去勢が必要だと思います。
                        (2012.4.27)

                  

  ペットの防災準備

 東日本大震災から一年になろうとしています。
 環境省と福島県は3月1日から19日まで、原発警戒区域内に取り残された犬・猫集中保護活動を開始しました。しかしいまだ何千頭と残されて野生化しているペットのうち、これからどのくらいが保護されるのでしょうか。
 東京でも近い将来、大地震が高い確率で起こるという予測が、毎日のように報道されています。私たちのペットも人事ではありません。
 新宿区、練馬 区、横浜市などは、以前からペットの防災対策にも備え、ペット同行避難マニュアルを作り、ケージやフードなども備蓄しています。
 わが渋谷区はこれまでまったく対策が行われていませんでしたが、先日、桑原区長がついに「ペットの避難所対策にケージ100台を準備したい」と 表明しました。
 行政や獣医師会にもできるだけ備えをお願いしたいのですが、飼い主も当然、自分のペットのための防災準備が必要です。
 新宿区の防災マニュアルには、次の物を準備するよう挙げられています。
①ペットの食事と水(3日間程度)
②ペットのトイレ用品(ペットシーツや猫の砂等)
③ペットの常備薬 
④避難所でのペットケージ・檻・リード・ハーネス(猫も必要)
⑤ 鑑札・迷子札等の身元表示
⑥ ペットの写真複数枚(ペットを探すときに必要)
                        (2012.3.10)


捕獲器貸し出し 成功例
                      
 

渋谷区本町在住の女性が、初めて自分一人による地域猫の捕獲・手術に成功しました。
 その方は、玄関前に黒猫が居着くようになったため、9月に保健所から捕獲器を借りました。協力病院であるモコ動物病院が近くだったので、中野の ボランティアに捕獲のコツを聞き、初めて自分で捕獲器を設置したところ、すぐにその猫は入り、翌日モコ動物病院で去勢を行いました。
 後日談ですが、その猫は地域猫として世話する予定で耳カットもしましたが、人なつこく飼い猫になれそうだったため、その方が家に入れ里親探しを し、今月めでたく里親さんの元へ行きました。
 捕獲にはいろいろコツもありますが、決して難しいものではありません。みなさんもぜひトライしていただきたいと思います。                         (2011.12.14)

                         

 震災の影響か? 若い猫の不妊去勢手術が秋に増加

 最近になって、区内の数カ所で、若い猫たちの不妊去勢手術の依頼が増えています。
 一つの地域に十数頭の未手術の猫たちの姿が多く見られるようになったのです。
 繁殖シーズンを迎える前に、急いで手術を行っています。
 この若い猫たちは今年春に生まれた猫たちだと思われます。
 例年であれば春の繁殖シーズンには手術の依頼が増えますが、
今年の3月は大震災が起き 非常事態となったため、あまり依頼がなかったのです。
 震災の影響が、こんなところにも表れています。
 皆様の地域にも、こうした猫たちがみられたら、早めに手術をお願いします。
                        (2011.10.23)


 マンションからの苦情で地域猫がピンチ!

 数日前、区内のマンションに住む女性から当HPに緊急のメールがありました。
 「マンションの管理人さんが8年前から去勢して世話していた3匹の猫に対し、隣のマンションから住人の車に乗るなどの激しい苦情がきたため、こちらのマンション管理会社が猫の処分を業者に依頼してしまった。
 猫を助けられませんか?」というものでした。
 すぐに当メンバーとマンション管理会社、管理人さん、女性が話し合い、猫を助けるためには飼い猫にするしかないという結論に。とりあえず管理会 社は猫の処分を中止しました。
 処分業者は、捕獲した猫たちをどこかに捨てるか、行政に処分を依頼するかでしょうが、捨てられたとしても猫は見知らぬ場所ではまず生活していけ ません。  とはいえ、8年来外で暮らしてきた猫を飼い猫とするのも、なかなか難しいことです。
 猫たちにも自分の生まれた土地で生きる権利があるはずです。
 地域猫との共生をもっと考えていきたいものです。
                        (2011.9.29)


 猫のトイレ場所を変えさせるには・・

 都内の方から質問がありました。
 世話している地域猫がマンションの駐輪場でトイレをするのに困っており、トイレ場所を近くの公園など土のある場所に移動させる方法はないでしょうかとのこと。
 地域猫のトイレは、世話する人間にとっても悩み多き問題です。
 理想的には駐輪場に猫用トイレを設置することですが、そのマンションでは住民の理解が得られないようです。
 従って、次なるベターな選択は、公園など土のあるところに排泄するようにしむけ、それを猫の世話人が片づけるというものになります。
 方法は
 ①猫は基本的に食事の場の近くでは排泄しないので、駐輪場でえさやりする。
 ②猫が嫌う木酢液を排泄するポイントにまく。(しかし猫が来なくなる可能性も)
 ③トイレ場所の移動法は、トイレをさせたい場所(風下で人の迷惑にならない場所)で、土の上に砂をまき、そこへその猫のフンを置き、食後に猫を誘導し、排泄をうながす。
 ・・以上の方法が有効と思われます。
                       (2011.9.2)


 渋谷保健所 捕獲器貸し出しスタート!

 渋谷保健所が7月1日から、猫の捕獲用のケージの貸し出しをスタートしました。
早くも、6台の捕獲器が貸し出されています。反響の大きさに、捕獲器を寄贈し たわれわれも、保健所も驚くと同時に、区民の方のニーズが高かったの だと確 信しました。
 われわれのような猫ボランティアが手術のために捕獲する捕獲器の多くは、猫 のTNR活動の盛んな米国・英国から輸入したものです。残念ながら国 内で製 造・販売しているものほとんどなく、そのため一般の方はなかなか購入すること ができません。
 これを機会に、区民で猫を世話している方に少しでも多く利用していただき、 不幸な子猫が産まれないように不妊去勢手術をしていただければ幸いで す。
 捕獲器の貸し出しの問い合わせは、保健所事業係へ。
代表3463-1211            (2011.7.26)


  被災ペット救済とアナログ表示

 東北など被災地各県に、動物救援本部が立ち上がっています。
 緊急災害時動物救援本部のHPに、各連絡先が載っています。
 それぞれ寄付も募っている ようです。
 一ヶ月ほど前から原発20キロ圏内への一時帰宅が開始されたのと同時に、ペッ トの保護も行われています。 環境省によると、これまでに犬約90匹、猫約50匹が、20キロ圏内から飼い主や行政に保護されてきたそうです。(6/6現在)
 ずいぶん多くのペットたちが生きて助けを待っていたんですね。
  それにしても、災害時の備えとして、ペットの個体識別表示(ID)と、不妊去 勢手術は、大変重要だと認識を新たにしました。
 市民団体「地球生物会議 ALIVE」によると、ペットの首輪などにつけてある名前・電話番号が、被災地でのペットの救出時に大変役立ったそうで す。
 マイクロチップや鑑札よりも、一目で分かるアナログ表示がこういうときは強いのですね。            (2011.6.11)


 渋谷区も近く捕獲器貸し出しスタート 
        ネットワーク捕獲器10台、区に寄贈!

 3月24日、保健所と当ネットワークが、区民への捕獲器の貸し出しについ て、ミーティングを行いました。
 当団体は捕獲器10台を保健所に寄贈。
 その捕獲器を4月以降、地域猫の不妊去勢手術のため、保健所から区民に貸し出しを行うことになりました。
 貸し出し料金は無料です。(手術費用、その他経費は必要になります)
 外猫を動物病院に連れていくときは、やはり捕獲器を利用するのが一番確実です。
 段ボールなどに入れて病院に連れていっても、猫が箱を破って逃げたりするの で、動物病院も捕獲器を歓迎します。
 一度使い方を覚えれば簡単ですので、ぜひ多くの方々に使い方を覚えていただき たいと思います。                                      (2011.3.30)


 人と動物の共生できる街づくり

  2011年がスタートしました。
 飼い主のいない猫の保護、地域猫活動の普及を渋谷区とともに本格的に行ってから7年目を迎えます。
 幸い、みなさまの暖かいご支援のおかげで、ネットワークではこれまでに1800頭を超える不妊去勢手術を行いました。
 またフェスティバルなどをはじめ、さまざまな機会に地域猫の啓発に努めてきました。
 世間では、家族や地域のつながりが薄くなった孤立化が話題になりました。
しかし、地域猫など動物愛護が盛んな地域では、こうした人の孤立化も防げます。
 人と動物の共生できる街づくり、今こそ、求められているのではないでしょうか。
               (2011.1.4)


  えさやりを始めたら早めに不妊去勢手術を!

 

このところ、渋谷区本町周辺、または、恵比寿周辺の不妊去勢手術依頼が多く なっています。
 この2地域はどちらも一戸建ての住宅街が多い地域で、猫にとってみれば、環境がよく住みやすい場所のようです。 そのため手術依頼も、10匹以上など、多頭のケースが目立ちます。
  「数匹の猫にえさをやっていたら、1、2年で10匹くらいに増えてしまっ て・・」と、あわてて依頼してくる方が多いのです。 猫は生後半年を過ぎると、年に2、3回出産し、あっという間に増えます。
 増えてからは捕獲に時間がかかりますし、手術の経済的負担も大きくなりま す。
 猫にえさやりを始めたら、早めに不妊去勢手術を行いましょう。 (2010.10.27)


  山口先生が、環境大臣賞

20年来、低料金で犬猫の不妊去勢手術を行ってきた神奈川県大和市・山口獣 医科病院院長の山口武雄先生=写真=が、9月の動物愛護週間にちなみ、動物 愛護管理功労者として環境大臣に表彰されました。
 山口先生は、多くの動物愛護ボランティアの願いに応え、飼い主のいない猫 に、1匹一律5000円で手術を行ってきました。
 現在も毎年、約 6000匹 の犬猫の不妊去勢手術を手がけているそうです。当団体も、大変お世話になって きました。
 山口先生の表彰は、先生の意志を継ぐ若手獣医師や、われわれボランティアに も大変励みになるものです。
 おめでとうございました。        (2010.9.26)


 

  猫とは何か、探る映画「ネコを探して」

 フランス人監督によってつくられたドキュメンタリー映画「ネコを探して」 が、渋谷シアター・イメージフォーラムで上映中です。
 この映画のテーマは、「猫とはいかなる存在か?」という、ちょっぴり哲学的な問い。一匹の黒猫が狂言回しのような役割を演じ、古今東西の猫の姿 を映し出していきます。
 水俣病の犠牲になった猫たちや、イギリスの駅でネズミ捕りに働く誇り高き猫 たち、米国の高齢者施設で死にゆく人を見送る介護猫など、人間社会の片隅でいろいろな役割を担う猫たち・・。
 観ての感想は、よくこんな映像があったものだと感心させられたり、なかなか感動的なシーンの多い映画でした。
 猫とは、常にその時代の人間の姿を反映する存在であることを知る、貴重な映画です。                    (2010.8.30)


  地域猫の写真コンテスト どうぶつ基金

  動物と人が幸せに共生できる社会づくりを目指している「どうぶつ基金」さんから、活動紹介の協力依頼を受けました。
 基金では「いのちつないだワンニャン写真コンテスト」「みみ先カットTNR助成金」を実施しています。
 とくに写真コンテストは、地域猫の愛らしい姿のコンテストです。7月末まで募集しているとのこと。これはと思う秘蔵の一枚があれば、応募してみてはいかがでしょうか?
 もちろん、秘蔵写真でなくても大丈夫です。ネットから応募できるそうです。   ネットワーク関係者も、応募してみようかなあというメンバーもいます。
果たして、良い写真が撮れているでしょうか?
                    (2010.7.20)
写真の応募は締め切りましたが、インターネット投票を、8月31日まで行って います。
 投票で上位になった作品を、落語家の桂三枝さん夫妻ら猫好き審査員が 審査します。
 また、どうぶつ基金の理事長、佐上邦久さん夫妻も、自ら撮影してきた域猫の写 真集「みみ先カット猫のお話」を、出版しました。(ぶんか社、1260円)。
 たくましく生きる地域猫たちのいい写真がたくさん載っています。ぜひ本屋さん で手にとってみてください。

 ご興味をもたれた方は、どうぶつ基金のHPで確認してください。    
             (2010.8.9)


 地域猫の健康調査・・・猫にとっての環境は?

 

 東京都北区の中央動物専門学校の学生グループが、中野の地域猫のためのボラン ティア病院「moco動物病院」で、地域猫の健康調査を行っています。同病院に連れてこられる猫たちのノミ、寄生虫、さらに猫エイズなどの感染状況 を調べています。
 こうした地域猫の健康調査はきわめて珍しく、これまでほとんどデータがありま せん。この研究は大変貴重な研究になることが予想されます。
 ちなみに同校グループは、昨年、谷中霊園で地域猫のフン調査を行いましたが、 寄生虫はまったく発見されなかったそうです。
  調査を指導した教員の佐伯英治獣医師は、「谷中霊園は周囲と隔絶されており、 近隣住民が以前から去勢やえさやりなどをして猫をよく世話・管理し、その結 果、猫の年齢層が高く、幼猫に多いコクシジウムなどの寄生虫が見られなかった のでは」と推察しています。
 谷中霊園は以前から猫たちが幸せそうに暮らしている場所として知られていまし たが、環境がよいことが科学的調査によっても裏付けられたといえます。
                    (2010.7.6)



東京大学 村松伸研究室のシブヤ遺産への協力報告1

 東大生産技術研究所の村松研究室から渋谷の遺産となる記録を残したい。
 遺産として11の視点を挙げられ、そのなかに猫遺産として渋谷の地域猫、
猫の記録を残したい。
 ついては、地域猫活動を行っているネットワークに、
これまでの活動内容や不妊去勢手術のデータなどを協力して欲しい、
とのご依頼を受けたのは、まだ寒い冬でした。
 村松研究室の村松伸教授といえば、アジアの都市・建築・空間史、
アジア近代建築および町並みの保存と再生が専門。
 都市論、町並み再生などの研究に役立てば、しかも渋谷の遺産として
猫に焦点をあてられるとは、興味津々。
 研究室の方と幾度となく打ち合わせ、協力させていただきました。
  その成果が、この春、村松伸+東京大学生産技術研究所村松研究室
「シブヤ遺産」(出版社バジリコ)として出版されました。
「シブヤ遺産」の狙いは次のようなものです。ぜひ、一度、読んでみてはいかがでしょうか。
 渋谷に人が住み始めたのは、縄文時代。
 江戸時代は農村。明治に鉄道が開通して、一気に都市化が進む。東京オリンピックにバブル。  
 2008年に副都心線が開通。渋谷の町はこれからもどんどん変化を遂げていくだろう。 普段はなにげなく通過したり、遊んだりしている渋谷だが、目を凝らして見ると、歴史の記憶が町のあちこちに残り、地層のように積み重なっている。それは、川だったり、坂だったり、建物だったり、猫だったり、木々だったり、渋谷に暮らし、集まる人だったりする。
 それらは、渋谷を拠点にする者にとっては、「世界遺産」にも匹敵する大切なもの。そんな「シブヤ遺産」を、JR渋谷駅を中心に、およそ1キロ圏内にわたって、徹底的に歩いて、探し観察してみた。  2010年の今も歴史の通過点ではあるけれど、時間と空間のひとつの定点観察として、「シブヤ遺産」を記録し、未来の渋谷について、都市の未来について考える。 (2010.6.17)

東京大学 村松伸研究室のシブヤ遺産への協力報告2
 シブヤ遺産のなかには、シブヤ遺産を探しての章に、11の視点で研究室の研究生が渋谷を歩き、感じ、その歴史的背景を追った様子が記されています。
 このなかで猫遺産として、渋谷の新たな視点を紹介されています。
 猫が住民であるという視点で街を見返すと、人だけが住民でなく、猫、犬、鳥なども住民であり、人が譲る点もある、と指摘されています。
 人と猫など動物との共生というネットワークの理念とも通じています。
 研究生の方とお会いし、またその後も情報のやり取りを行い、どんな遺産になるのか、と思っていました。
 猫を通じて街を見るという大切な視点こそが猫遺産ではないでしょうか。
 ぜひ、また渋谷の街、お住まいの街を見渡し、地域猫がいれば、このことを思い出して欲しいものです。

 213ページには渋谷区動物愛護推進ネットワークの名前も見えます。(2010.6.26)

東京大学 村松伸研究室のシブヤ遺産への協力報告3
  シブヤ遺産への協力のなかでネットワークの統計データなどを活用したいとのことで、不妊去勢手術数や地域の事例の情報提供をしました。
 村松研究室の担当のIさんも、ネットワークの活動に興味を示されていたことが思い出されます。
  また、ネットワークの情報は「他の団体では考えられないほど充実している」と評価していただきました。
  渋谷の地域猫マップとして村松研究室のIさんが、ネットワークのデータを基に、マップ化しました。本にも掲載されていますが、ネットワークにも提供していただきました。渋谷区の現状にマップを掲載しています。一度ご覧ください。
 多少なりと研究のお役に立てたようで、一安心です。
 しかも、成果として出版され、後世に残るとなると、喜ばしいことです。
 ぜひ、またこのようなお役に立つ機会があれば、できる限りの協力をしたいと思っています。(2010.7.5)


空き缶ねこ顛末記 空き缶はずれる!

 渋谷区幡ヶ谷で空き缶ねこの目撃が相次いだのはゴールデンウィークも終わった10日の週でした。
 「空き缶をずっぽりと首までかぶせられた猫がいる」との話はたちまち多方面から情報が寄せられました。ホームページにも目撃情報が相次いぎ「猫が虐待されているのではないか?」「可哀想なので、何とか保護して欲しい」との声が寄せられました。
 ネットワークでは、直ちに幡ヶ谷地区担当者やボランティアに連絡、空き缶ねこの保護に乗り出しました。
 調査した結果、空き缶ねこは地域猫を世話する方が、えさやり中にねこが缶詰に首を突っ込みすぎて、抜けなくなったため、仕方なく缶の底を開けて、呼吸をできるように応急処置をしたことが判明しました。
 とりあえず、虐待ではないことで一安心しました。
 それでも事故とはいえ、ほうっては置けません。
 しかし、週末も空き缶ねこを保護するまでいたりませんでした。各方面に保護の協力をお願いした結果、5月17日の週はじめに地元の方によって空き缶がはずされました。
 はずしていただいた方にはあらためてお礼を申し上げます。
 また、目撃情報などを下さった方々も、ありがとうございました。
 猫も喜んでいることと思います。    (2010.5.20)


    こうあるべき!ネコのえさやりと公園の看板 


 

世田谷区・下北沢の公園で、猫へのえさやりに関する看板を見つけました。
その内容は、えさやりをするなら、器を片づけること、世話をする人は飼い猫と同じように 愛情と責任を持って不妊去勢をし、排泄の始末をするように書かれていました。
 そして、困ったこと があったら、世田谷保健所に相談するようにともありました。
  「えさやり禁止」という言葉は一切なく、猫の世話のマナーを啓発する内容でした。
最近、わが渋谷区だけでなく、港区などでも、一部の公園に「猫へのえさやり禁 止」の看板が立てられています。
  一部の猫嫌いの住民に対する“配慮”のようですが、マナーを守って地域猫の世話 をしている住民を無視しています。
 確かに、公園にはマナー違反のえさやり人も来るかもしれませんが、「えさやり 禁止」と書いては、隠れてエサをやるだけで何の啓発にもなりません。
 この下北沢の公園のような内容の看板にしていただくことを願います。
 そう思いませんか!
                                      (2010.4.24)


三寒四温と捕獲器貸し出し

 三寒四温のこのごろ、もう春ですね。
 春は猫にとっても大事な季節。またネットワークも忙しい時期です。ボランティア全員、地域猫活動のお手伝いやお問い合わせへの対応で、大忙しです。
これまでの手術の状況などは、後日、ご報告します。
 また、先日、保健所で捕獲マニュアルと講習を行い、保健所主体で区民に捕獲器などを貸し出する方向で計画を進めています。
 保健所内で貸し出しルールなどの詳細が詰まっていないとのことのようですが、 春にもなったので、迅速な対応が望まれるところです。
 その際は、保健所、ネットワークにご 相談いただき、 住民の方が猫との共生に 向けて、よりよい解決を探っていただくようお願いいたします。
                     (2010.3.20)


本町町会で地域猫活動を紹介!

 

1月19日、渋谷区の本町連合町会の集まりに20分余り参加させていただき、渋谷 区と当ネットワークの地域猫活動についてご紹介し、協力をお願いいたしました。
 渋谷区の北部に位置する本町は、地域が広く、昔ながらの住宅街も多くあり、飼 い主のいない猫もたくさんすんでいます。
 当ネットワークが本町で地域猫のTNR(去勢手術)を行ったのは、実に41回。手術頭数は119匹にのぼります。今後もさらに活動が必要になると考えています。
  町会の会合では、現在、飼い主のいない猫が問題になっている事例は特にないようでしたが、今後何かそういうことがあった際には、保健所やネットワークにご 相談いただき、 住民の方が猫との共生に向けて、よりよい解決を探っていただくようお願いいた しました。                    (2010.1.2)


2010年もよろしくお願いします!

 2010年がスタートしました。
今年も地域猫活動のご支援を、よろしくお願いします。   
 昨年は、経済、政治ともに激動の年でした。ここ渋谷でも、激動の波は少なからず影響したようです。しかし、ネットワークのボランティアはそんな嵐にも負けず、地道に活動を続けてまいりました。新たにネットワークに参加したいとのお問い合わせが多数寄せられ、メンバー一同、勇気づけられております。
 新たな年は、渋谷区、保健所とともに、地域猫活動をさらに定着させる活動を行いたいと考えております。
 また、東京の他区との連携もさらに深めると同時に、全国からお問い合わせが相次いでおりますので、何かお役に立てるような、さらなる情報発信を考えたいと思っています。                    (2010.1.2)


 中野に地域猫の不妊去勢専門病院!

 ついに、東京都心に、地域猫のための不妊去勢の専門病院「mocoどうぶつ病 院」ができました。
 飼い主のいない猫=地域猫の繁殖制限をし、殺処分される子猫を減らす目的のボ ランティア活動を支える、 不妊去勢手術に特化した病院です。
 その趣旨から料金も低料金で、中野区内の地域猫は、手術助成金がないためオス 3000円、メス4000円。 地元ボランティア「南中野地域ねこの会」の活動をサポートしています。
 他区の 猫も、条件により異なりますが、低めの料金で受け入れています。 こうした地域猫のための低料金の手術専門病院は、米国に始まり、日本では最近 関西にもできていました。 地域猫の手術に苦労してきたボランティアに朗報といえるでしょう。
 現在、診療日は週2回(水曜・金曜)ですが、来年からは増える予定です。
   中野区南台2-29-2-2F 電話 03・3383・2216
                              (2009.12.15)


猫も人も 気持ちよくボランティア!

 早いもので、もう12月です。恒例の渋谷区ふるさとフェスティバルへの参加や、地域猫活動の打ち合わせなどで、あっという間でした。
 フェスティバルでは、多くの方が地域猫活動に興味を持っていただき、さらにはホームページへのお問い合わせも、多数ありました。
 また、ボランティアに参加したいとのお問い合わせもあり、うれしい限りです。
 不妊虚勢手術などの地道な活動が身を結び始めたのだと実感しています。地道な活動をおろそかにしがちなボランティアもいます。しかし、それでは長続きしません。かといって、無理をするのも長続きしません。
 猫と同じで、気持ちよくのびをするぐらいの気の持ち方が良いのではないか、と思います。
                                (2009.12.1)


 これは必見! 地域猫活動もこれで分かる!        
  映画「犬と猫と人間と」

  映画「犬と猫と人間と」、渋谷・ユーロスペースで公開中です。 
ボランティアや自治体の動物救済の現場を取材したドキュメンタりー映画「犬 と猫と人間と」(配給・東風)が、10月10日から東京都渋谷区のユーロスペースで公開されています。
 監督の飯田基晴さんは、一人の猫好きおばあさんから、「不幸な犬猫を減らす ための映画をつくってほしい」と依頼され、この映画を撮ることになりました。
 ペットについてそれまでほとんど知らなかった監督が、日本で1日1000匹近くの犬猫が殺処分されていることを聞き、「なぜそんな状況になっているのか」という素朴な問いかけから制作を開始。四年をかけて完成されました。  
 千葉県の動物愛護センター、神奈川県の動物愛護協会、多摩川河川敷の捨て猫 ボランティア・・カメラはあちこちで命と向き合う人間の葛藤、優しさを映し出 し、人間の問題点を追及していきます。
 子供から大人まで、ぜひ一緒に見てほしい映画です。                   (2009.10.14)


「飼い主のいない猫」の手術助成制度のある区が増えています!・・ 渋谷区は?

 杉並区の愛護団体「自然と動物を考える市民会議」が、東京都23区の犬猫の 不妊去勢手術費の助成制度を調査しました。
 それによりますと、不妊去勢手術助成は、以前は飼い犬・飼い猫が主な対象で したが、最近は、「飼い主のいない猫」を中心にしている区が主流になっている ことが分かりました。  
 いまや都内全域が地域猫活動に力を入れていることがその理由と考えられます。
 助成制度がまったくないのは、江戸川区、葛飾区、中野区の3区だけですが、 中野区は制度の準備を進めているようです。  
 われらの渋谷区は現在、飼い猫の助成がメーンで、飼い主のいない猫について は、まだ条件が限定されています。他の区と比べてやや遅れているといわざるを
得ません。                                (2009.9.23)


学生の意欲と地域猫!

 

先日、早稲田大学の学生新聞から,地域猫活動について取材を受けました。
 東京では比較的、地域猫活動が広がっています。大学でも動物愛護や地域猫への関心が高いそうです。
 地域猫としてのボランティア、行政のあり方なども問われ、こちらが答えに困るほど、熱心に質問していただきました。 渋谷のネットワークの取り組みや、千代田区など他の地域猫活動についての紹介、さらには活動するにあたっての問題点などをお話しました。
 学生さんや若い世代が、地域猫や動物との共生について心に留めて活動していただくのはうれしいものです。
 とかく、人と人とのつながりが希薄な時代といわれるこのごろ、意欲あふれる学生さんとのディスカッションは、楽しくもありました。
 こうした新しい純粋な気持ちこそ、希望ですね。               (2009.9.1)

  
地域猫を通して近隣への目配り、安全な街づくりを!

 暑い夏が過ぎようとしています。今年は天候不順な日が多く、人も、猫もある意味、体調管理が大変だった気がします。
 ところでこの夏、とくに8月は区民の方から、10数件のTNRのご相談がありました。そのなかには、以前からご相談を受けている地域と隣接していた地域。さらには世話する猫、あるいは気になってネットワークのメンバーがチェックしている猫などと重なっているケースも数件ありました(富ヶ谷、恵比寿地域など)。
  あらためて、区民の方々からの情報に感謝いたします。情報が多くなれば、その地域の猫の状態もつかみやすくなり、地域における世話・管理がしやすくなります。 猫たちを気にとめて心配している方は、となり近所に意外に多いものです。志を同じ くする方と知り合えば、もっと協力して地域猫活動を進めていけると思います。
  また、近所で猫を虐待するような出来事を見聞きした場合も、保健所や警察に情報を伝えていただきたいと思います。
 動物への虐待は、人への虐待や犯罪につながるケースが多いのです。 渋谷のような都会はなおさら、近所への目配りが安全なまちづくりにつながります。                                                                       (2009.8.24)


猫へのえさやり禁止看板」の是正を渋谷区公園課へ申し入れ

  7月14日、ネットワークは、区内の公園で地域猫活動を行う方々の要請をうけ、区内3公園の「えさやり禁止」看板を是正していただくよう、区公園課に申し入れをしました。
 公園課は、地域猫活動についても理解していただき、わたしたちの要請した「猿楽古代住居跡公園」「鶯谷児童遊園」「景丘公園」の猫へのえさやり禁止看板の文言を、禁止しないものに変えてくれることになりました。
 わたしたちは、かねてから各方面に、猫へのえさやりを禁止する看板ではなく、えさやりマナーと地域猫活動をうながす看板にしていただけるよう、お願いしてきました。
 公園にすみついた飼い主のいない猫を、「地域猫」として不妊去勢し、きちんと世話管理している住民がいることを、近隣の住民の方もぜひ理解していただきたいと思います。
 また、猫が好きな人でも、えさなどを放置し、公園の美化をさまたげることのないように、お願いいたします。
 今回の件では、地域猫活動の情報をいただいた方、ならびに渋谷区公園課など関係部署の方々のご協力に、改めて感謝いたします。
                                              (2009.7.15)


  動物の遺棄・虐待は犯罪!  環境省 

 

 環境省が、「動物の遺棄・虐待は犯罪」であることを強く訴えるポスターを 作り、全国の自治体に9万枚配布しました。
 「動物愛護法」では、犬や猫などの愛護動物をみだりに殺したり、虐待したら 1年以下の懲役または100万円以下の罰金、また、捨てた場合は50万円以下 の罰金と定められています。
 しかしこの法律は世間にあまり浸透していないようです。
 このインパクトのあるポスターで、市民の意識が高まり、捨て犬・捨て猫、動 物いじめを減らせるように願います。
 みなさんも、捨て犬・捨て猫、動物いじめを見たら、すぐに警察・保健所に連 絡しましょう。
 (2009.3.22)


猫の殺処分、減少へ!  地球生物会議調査    

 市民団体「地球生物会議(アライブ)」さんの最新調査結果によると、自治体 による猫の殺処分数が初めて大きく減少したそうです。  アライブさんは毎年「全国動物行政アンケート」を行っており、今月、 2007年度の最新集計をまとめました。犬猫の殺処分数は06年度より約4万 匹減少し、31万匹(310457匹)。うち、犬は約10万匹、猫は21万匹。  犬のほうは毎年着実に殺処分が減ってきていましたが、猫が昨年調査まではほ ぼ横ばいで減りませんでした。それが今回初めて、約2万6千匹も減少したとい うことです。  飼い主不明でセンターへ収容される子猫は減らないものの、飼い主自身が持ち 込む子猫が減ったそうです。おそらく、飼い猫の不妊去勢がすすんでいるので しょう。来年は、飼い主不明の子猫の収容も減ることを願いたいです。
  この調査の詳細をまとめた冊子には、ほかにもいろいろなデータが詳しくのっ ており、600円で配布しています。 (2009.2.16)


TNVR・・・手術するときにはワクチンも! 

 先日、米国・カリフォルニア州でノラ猫の不妊去勢手術をしている団体の記事を 猫の雑誌で読みました。
 ノラ猫を捕まえて手術して放す「TNR」活動を、米国では強力に推し進めてき ましたが、最近では「TNVR」、つまりワクチン接種 (Vaccination)も手術の際にするのが一般的になってきているよう です。
  実は私たちも、冬季のTNRにおいては、手術に加えて3種混合ワクチンを接種 することをなるべく行っています。冬は外の猫たちは猫カゼにかかりやすくなる ので、それを防ぐためのワクチンです。接種できる機会は手術で捕獲したときの 一度だけですが、それでも外の猫たちの健康にとても効果的だといわれています。
 このところ冷え込む日が多くなっています。地域猫たちに暖かい猫ハウスをつ くってあげたいものです。
                (2008.12.29)


動物の遺棄は愛護法違反 最終 子猫発見

 

 このコーナーで捜索を呼びかけていた遺棄された猫が、本日12月13日、代々木1丁目の商店街付近にて無事に保護できました。 
 代々木公園西門に置き去りにされてから実に2カ月。公園内には見つからなかったので、周辺の街を約20日間捜索しました。 代々木一丁目で地域猫を世話している方から、最近よく似た猫が現れるとの情報を昨日得て待っていたところ、その猫が現れました。
 模様も大きさも性格も手術済みの耳カットも同じで、探していた猫だと確認できました。 情報をくださった方々、ごはんをあげて見守ってくださった地域の方々に心から感謝致します。ありがとうございました。 (2008.12.14)



動物の遺棄は愛護法違反 その後>

 先々週にお伝えした、代々木公園に捨てられた地域猫が、公園内はほぼ捜索しま したがまだ見つかっていません。
 10月末に公園西門に捨てられたとのことなので、付近の富ヶ谷一丁目や代々木 五丁目あたりにいるかも知れません。
  茶トラで1歳メス、耳カット印があり、ひとなつこい性格です。
         
*なお、この地域猫を遺棄した区民は、代々木警察の厳重注意を受けました。
 猫を遺棄することが犯罪だということをよく理解してくれたようです。 (2008.11.26)
 


動物の遺棄は愛護法違反

 

 区内の商店街のお店のご主人が、家の周りにいる地域猫一匹をつかまえて、何 キロも離れた代々木公園に捨ててくるという事件がありました。
 その商店街で地域猫の面倒を見ている数人から今日、ネットワークに相談があ りました。
 動物の遺棄は、愛護法違反で50万円以下の罰金が適用されます。
 今日も、都内でカメが某店の前に置かれていたのを「愛護法違反」で警察が捜 査しているというニュースがテレビから流れていましたし、先月は八王子で、チ ワワ犬が17匹も捨てられて愛護法違反で警察が動いていることを新聞各紙が大 きく報道しています。
 しかし、この商店街のご主人は、「猫を捨てていけないなんて知らなかった」 と。実際、そうだったのでしょう。  とはいえ、この地域猫は商店街のグループが不妊手術して耳印もつけ、住民が 世話をしていたことは知っていたはずです。
 知らない場所に置きざりにされた猫は、他の猫に追いやられたりしてさまよっ ているかもしれません。明日からネットワークのメンバーも参加して子猫の捜索 を始めます。
 動物の遺棄は犯罪だということを広く知ってもらうため、警察の協 力でポスターの設置などを考えています。
          (2008.11.26)


荒川区「えさやり禁止条例」を検討

 

20日のいくつかの朝刊に、荒川区が「野良猫やカラスなどの動物へのえさやり禁止条例」案を区議会に提出するとの報道が載りました。
 一部の住民のカラスのえさやりなどに近隣から苦情が相次ぎ、こういう条例が考え出されたようです。迷惑住民には罰則もつけるとしています。区は「地域猫など、住民が管理している猫には適用しない」としていますが、野良猫と地域猫を区別するのは難しい場合もあります。
 数年前、杉並区でも、野良猫へのえさやり禁止条例をつくる動きがありましたが、区民の反対で見送られています。荒川区は、これから条例の意見募集に入りますが、曲折が予想されるでしょう。
 この条例では「飼っていない動物」をひとくくりにしているようですが、野良猫はカラスや野鳥のような野生生物とは違い、古来から人間とともに生活をしてきたパートナー的な動物であり、愛護動物であるということを忘れているように思えます。(2008.9.23)


「子猫はまず検便!」

 今年の春は、これまでになく多くの子猫を保護し、里親に出すことになりました。
 外で生まれた子猫を保護したときに、すべきことはたくさんあります。その一つが、動物病院での身体検査と、ノミ取り、駆虫、検便です。
 今回、子猫たちのおなかの健康状態が比較的よいので、検便をするタイミングが遅れていました。しかし、後の検査で、二組のきょうだい子猫たちがコクシジウムという寄生虫に感染していたことが分かりました。
 コクシジウムは一般の回虫と違い、とてもしつこい寄生虫で、一度検便でマイナスが出ても、再検査をするよう獣医師は勧めています。他の子猫にも感染しやすいので、居場所やトイレなども別々にしなければなりません。
 幸い、保護した子猫たちは下痢などの症状が出てくる前でしたので、投薬でほぼ寄生虫を退治できました。もし発症していたら衰弱して大変なことになっていたでしょう。
 子猫を保護した時は、たとえきょうだい同士でも一匹一匹検便し、大丈夫だったら一緒にすることがやはり大切だと勉強しました。(2008.8.4)


渋谷川土手に落ちた猫を救え!

   

6月13日夜 恵比寿在住の区民から、
「渋谷川の護岸堤防の内側に猫がおり、 自力では上ってこられずにいるので
保護できないか」という相談がありました。
 付近の住民は心配して猫を見に行ったり、えさを投げ入れたりしているそうです。

 そこでネットワークは翌日、渋谷消防署恵比寿出張所に協力を依頼、
土手に猫 の捕獲器を設置。
1時間後に猫は捕獲器に入り、保護することができました。
 しかし、数日後もまた別の猫が1匹、土手にいるのを地元の人が発見。
以後、毎週のように猫がいるのが確認され、救出用の捕獲カゴを設置しています。

 実はこの土手には数年前から、猫が落ちている、との通報が
消防や区役所に寄せ られていたそうです。
区公園課は、落ちた猫が上がってこられるよう、26日にハ シゴを設置しました。
 なぜ猫がこんな水も食べ物もない場所に落ちてしまうの か、いまも状況をさぐっています。
(2008/6/30)





「公園には地域猫もいます」初めて公園に地域猫の保護の掲示ができるまで


 先日、区内の女性から保健所に、「公園で猫に襲われた」という電話があり、 地域猫で心当たりはないかとネットワークに問い合わせがありました。  しかし、猫が人を「襲う」ということは、まず考えられません。現場である千 駄ケ谷の小さな公園に行ってみると、人なつこい三毛猫が人々にかわいがられていました。子猫を三匹産んで育てているそうです。  地域の人々に話を聞くと、公園に来て大型犬を放して遊ばせていた女性が、三 毛猫にひっかかれたとのこと。ほかにも一人、犬連れの女性がその猫にひっかかれたそうです。
  三毛猫は子育て中で警戒心が強くなっていたのかも知れませんが、犬を放したことにも原因があるのかも知れません。

 公園課に相談し、注意書きを掲示しました。
 

「公園には子どもや地域猫がいます。
犬を放すと事故につながるおそれもある ので、放さないでください。
犬の運動には近くの代々木公園のドッグランをご利 用ください」といった内容で、
公園の掲示としては初めて、地域猫という言葉を 盛り込みました。
 三毛猫は近所の方々が不妊手術を行い、子猫は里親のもとへ引き取られまし た。
これからは子育てのストレスがなくなり、
ますます地域の人々にかわいがら れる猫になってほしいと思います。(2008/5/12)


「えさやり」が猫を増やすのではありません

 「猫にえさをやると増えるから、やらないでほしい」  
地域猫活動をしていると、よくこういう苦情を訴える人に出会います。「えさ をやると猫が集まり、糞尿で汚されたり、子猫が産まれたりしてまた増える」と 考えているようです。
 しかし、「えさやり禁止」の張り紙をしたりしても、そう簡単にえさやり人は いなくなりません。野良猫を見つけると、必ず人目を避けてえさをやる人が現れ るものです。
 猫の数を減らすのは、不妊去勢手術です。手術を進めるためには、地域猫とし て地域の有志が猫を管理し、堂々とえさやりをすることです。  猫が町の人にしっかり管理されている地域には、外からえさやり人が入ってき にくくなります。そうすれば外から別の猫が入ってくることもなくなるので、そ れ以上猫が増えることはありません。  
 地域猫としての「えさやり」は、猫を増やすのではなく、むしろ減らすことに なることを理解していただき、地域猫活動を進めてほしいと思います。(2008.4.29)



「オス猫に手術を」

 春は猫の発情期です。最近の外猫は地域猫活動により不妊去勢が進んで いますので、手術されていないオスは数少ない恋の相手を求め、あちこち歩き回 る姿が例年以上に見られます。
 ふだんメスだけが生活しているところは比較的平和で静かです。しかし手術し ていないメスがいると、発情期に多くのオスが集まってきてケンカをしたり、普 段は渡らないような交通量の多い道路を渡ってメスのところにいったりします。 今の時期、交通事故に遇う猫はほとんどがオスでしょう。  猫の不妊手術は、子猫を産むメスのほうを優先してしまいがちですが、本能ゆ えにさまよい歩かなければならないオスもつらいのです。なるべく一緒に手術し てやるべきでしょう。
 オスは用心深いタイプも多いので捕獲に手間取ることもありますが、手術はメ スより簡単に低額でできます。気になる外猫に手術したい方は、ぜひ保健所にお 問い合わせください。(2008.3.28)



「あなたにできる愛護活動を」

 先週、区内在住の女性から、当ボランティア活動への参加の申し出があり、あ りがたく、今後できる範囲でご協力いただくことになりました。 当ネットワークは、区民有志中心に集まったグループで、ほとんどが女性で す。みな家族の世話や介護、あるいは仕事を持っており、ボランティア活動のた めの時間をなかなかつくれないメンバーも多いです。
 少しでも自分にできることがあれば手伝いたい、という気持ちで参加している 方も多くいらっしゃいますので、遠慮なく申し出ていただきたいと思います。
 ネットワークの実質的な活動としては、地域の猫を一時保護して病院へ運び、 手術をし、リリースするという、いわゆる「TNR」がメーンですが、同時に大 切なのが区民へ地域猫の理解を深めてもらうという啓発活動です。ご近所へ会報 を配布したり、猫にえさをやっている人や、飼い猫を放し飼いにしている人に区 の助成で不妊去勢することを薦めるなど、草の根的な活動はいろいろあります。
 でもそれ以前に、私たちの街に偶然生まれた小さな動物の命を温かく見守ること、それだけでも立派な愛護活動だと思います。(2008.3.3)



不妊去勢頭数、1000頭を超えました!」

 

当ネットワークが渋谷区の助成を受けて手術した頭数が、今週、1000頭を 超えました。
 1000頭という数字は、3年半前にネットワークが誕生したときの目標でし た。お隣の千代田区さんも、地域猫活動を開始して5年未満で1000頭の手術 を終えたという実績があるそうです。渋谷区もそれに追いつき、不幸な子猫を減 らそうとがんばってきました。そして予定よりも早く、目標を達成することがで きました。
 ともに地域猫活動をしていただいた渋谷区民のみなさま、ありがとうございま した。(2007.9.25)



「大規模開発と地域猫」

 渋谷区内では最近、大規模な施設の改築、移転が増えています。病院や官公庁 関連施設、駅前の商業ビルなどです。工事が始まると、そこにすみついていた猫 たちが居場所を失い、いっきに周囲に出ていきます。その結果、周りの人々から 「猫が増えて困る」といった苦情が寄せられることが多々あります。
 こうした施設の敷地で猫たちの世話をしている人々には、将来の移転を考え て、猫の不妊去勢をし、後継の世話人を決めておいてほしいのです。ひとりで永 久に猫の世話を続けることはできません。そのために、地域猫とすることが大切 なのです。(2007.8.25)


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